檜山海参

檜山海参

登録番号 92
名称 檜山海参(ヒヤマハイシェン),Hiyama Haishen
分類 加工食品
登録日 2020/03/30
生産地 北海道
久遠郡せたな町、二海郡八雲町、爾志郡乙部町、
檜山郡江差町及び上ノ国町、奥尻郡奥尻町
登録生産者団体

ひやま漁業協同組合

北海道爾志郡乙部町字元町520番地

登録公示

第92号:檜山海参

農林水産物等の生産地

「檜山海参」は、生産地の地先海面で漁獲されたなまこを同地域で加工した干しなまこです。
 疣足(いぼあし)の突起に覆われたような形態で姿が良いことが特徴です。また、水戻し後の姿が良好で、肉厚で身崩れせず適度な粘りと弾力ある食感に加え、調理のし易さも特長となっています。
 「檜山海参」は、中国料理で干しなまことして価値の高い「刺参(ツーシェン)」という区分に相当し、中国料理の食材を扱う需要者から高く評価されています。

「檜山海参」の原料は、北海道檜山地域の地先海面で桁曳網等の漁網(ただし、たも網は除く。)を使用しないで漁獲したなまこで、前処理の直前まで生きた状態で保管されていたものとされています。
 前処理では、なまこの腹面を切り、腸と砂・泥等を取り出し、真水または海水できれいに洗い流します。
 次に真水でボイルした後、ざるに移し、余熱を取って内臓等の残りを除去し、真水で再びボイルします。なお、ボイル中の湯温やボイルの時間は、なまこの大きさ等を考慮して適度に調節して行うこととし、ボイル後の塩蔵処理は行いません。
 余熱をとった後、干し台に並べて天日、送風式機械、真空凍結のいずれかの方法による乾燥を行います。
 出荷規格として以下に該当するものは「檜山海参」として出荷しません。
 ・乾燥不十分なため、指で押して曲がるもの
 ・カビ、異臭のあるもの
 ・疣足の突起に覆われたような外観を損なっているようなもの
 ・裁割過剰品、外傷の深い製品その他全体外観が顕著に悪いもの

生産地の沿岸海域は、岩礁帯が多く、適度に砂地もあるため、なまこの生息に好適な環境です。地域の干しなまこ生産の歴史は古く、江戸時代(1)には俵物(2)(清国貿易品)のうち干しなまこの産地としての記録が残されています。
 地域では、なまこ漁業者や家族が生産に関わり、鮮度の高いなまこを塩蔵することなく、丁寧な乾燥加工が行われてきました。
 2014年、漁業者の有志により共同加工による試供品の生産、販路開拓のための配付等が開始され、2017年、漁業者の共同加工による「檜山海参」の本格的な生産・販売が再開されました。2019年度の生産量は約100kg(干し重量)、生産額は2,300万円となっています。

  1. 江戸時代:1603年~1867年。日本の時代区分の一つで、江戸(現在の東京)に幕府が置かれていた時代を指します。徳川家康を初代将軍とし以後徳川将軍家を中心とした藩政政治が行われました。
  2. 俵物:江戸時代に清国(現在の中国)貿易向けに輸出された煎海鼠(いりなまこ/いりこ)・乾鮑(干鮑(ほしあわび))・鱶鰭(ふかひれ)の海産物(乾物)の呼称です。当時、俵に詰められて輸出された事からこの名があります。

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