くまもと県産い草畳表
くまもと県産い草畳表
※提供元:熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会
登録番号 | 9 |
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名称 | くまもと県産い草畳表(クマモトケンサンイグサタタミオモテ)、KUMAMOTO-IGUSA-TATAMI-OMOTE、KUMAMOTO-RUSH-MATS |
分類 | その他 |
登録日 | 2016/02/02 |
生産地 |
熊本県
八代市、八代郡氷川町、宇城市 |
登録生産者団体 | 八代地域農業協同組合 |
登録公示 |
農林水産物等の生産地
「くまもと県産い草畳表」は、伝統な「泥染め」行程により仕上げられた「くまもと県産い草」を原料に加工・製織された美しい高品質な畳表です。
熊本県の八代市、氷川町、宇城市、あさぎり町で栽培されるいぐさ畳表が全国生産量の約9割を占めていることから、いぐさ畳表と言えば熊本県産が代表的なものとして認知されています。「くまもと県産い草畳表」は、品質を保持するために「泥染め」の行程がなされたい草を使用します。栽培の歴史と共に伝統的に行われてきた製法が「泥染め」と言う作業で、刈取った直後のい草を、染土と呼ばれる天然土を適度な濃度に溶かした水にまんべんなく浸漬します。い草一本一本の隅々に泥が付着することで、むらなく乾燥でき、泥のコーティング作用で葉緑素やい草の内部構造のダメージが抑えられるため、光沢や色調が整えられた良質ない草ができます。この泥染めされたい草で製織された畳表は、色調が美しく、肌触りの感触が良く、畳独特の香りがします。また、湿度が適度に保たれるため、品質が保持されたままでエンドユーザーに届けることが可能です。
畳表の製織においていぐさの長さは最も重要で、茎長が長いほど高品質な畳表に仕上がります。「くまもと県産い草畳表」は原料となるいぐさを製織する前に、長さによって97cm以上、110cm以上、120cm以上、140cm以上の4段階に選別し、その長さごとで製織を行うため色調が整い、織り目の揃った美しい畳表が作られます。
「くまもと県産い草畳表」は、い草から畳表に製織を行う際に、熊本県産の証として畳表の経糸に「県証糸」を使用します。「県証糸」は日本農林規格の経糸の基準(太さ、引っ張り強さ、伸び率、混用率)を満たし、かつ、熊本県で製織された証となります。
八代地方におけるい業の歴史は古く、1500年代に太牟田上土(あげつち)城主、岩崎忠久が領内の古閑淵前にいぐさを栽培させ、特別の保護のもとに奨励したのが、熊本県でいぐさの栽培が根付く始まりになったと伝えられています。明治維新前までは「お止草(おとめぐさ)」として太牟田・新牟田・上土・新開・下村の5つの村に栽培が限られていましたが、時代を追うごとに地場産業として定着し、八代地方を中心に宇城・球磨地方でも広がりを見せ、1970年には日本一の産地に成長しました。畳表の生産量は国産の約9割を締めており、国産トップの生産量を長期に渡って維持しています。
生産者は通常原料であるい草の栽培から畳表の加工まで一貫して行っています。栽培から加工までの一連の作業行程を生産者自身が責任を持って管理でき、細部にわたる調整を行うことができるため、色合いや品質が統一された畳表が生産され出荷されます。また、一貫作業により、高い水準の品質保持が実現しています。