東出雲のまる畑ほし柿

東出雲のまる畑ほし柿

登録番号 87
名称 東出雲のまる畑ほし柿(ヒガシイズモノマルハタホシガキ),
Higashiizumo no Maruhata Hoshigaki,
Higashiizumo no Maruhata Hoshikaki
分類 加工食品
登録日 2019/12/10
生産地 島根県
松江市東出雲町上意東畑地区
登録生産者団体

島根県農業協同組合

島根県松江市殿町19番地1

http://ja-shimane.jp/

登録公示

第87号:東出雲のまる畑ほし柿

農林水産物等の生産地

「東出雲のまる畑ほし柿」は、専用の2~4階建ての柿小屋で干し上げた干し柿(1)です。
 果肉は深みのある橙色で表面には白く糖が吹いており、果実の中心部まで十分に乾燥しているものの適度な柔らかさを有しています。また、高糖度(80度前後)でありながら上質な甘さを感じることができます。
 400年以上の干柿の生産の歴史と伝統、品質の良さが評価され、特にお歳暮(2)の高級贈答品として高い需要があります。

「東出雲のまる畑ほし柿」の原料としては、生産地内で栽培された「西条柿」を使用します。また、原料に用いる柿の木は、畑地区内で栽培されている糖度が高い系統を「優良指定母樹」として、それを台木に接木したもののみとしています。
 干し柿の加工方法は、先ず、柿収穫後につめ切り、ヘタ取り、皮剥ぎ作業といった工程を経て、基本的に10個ずつ紐に取り付けます。なお、紐に取り付ける際には果実の枝の部分を使用し、ヘタ取り、皮剥ぎ後の重量が110g以下の柿は使用しないこととしています。
 次に、生産地内の2~4階建ての柿小屋に吊るし、天日で柿の中心部まで十分に乾燥を行います。なお二酸化硫黄による燻蒸処理は行いません。
 出荷規格は、「果肉が深みのある橙色を有していること」、「水分の戻りがなく耳たぶ程度の柔らかさを保持していること」、「干柿の表面に白く糖が吹いている状態であること」、「異物混入がないこと」としています。
 この規格をすべて満たしているものが「東出雲のまる畑干柿」として出荷されます。

生産地である畑地区は島根県東部に位置し宍道湖(3)や中海(4)を望む地域です。
 この地域の土壌は粘土質が強く保水力・保肥力に優れており、水はけがよいことから西条柿の栽培に適しています。また、晩秋から初冬にかけて冷涼な季節風が吹きこみ、昼夜の寒暖差があるなど干し柿作りにも適しています。
 1809年には畑地区の住民が初めて柿小屋を作ったという記録が残っており、今から約200年前には既に干柿用の乾燥場を利用した天日乾燥による干柿生産が行われていたと考えられています。
 現在は、生産農家19戸により約15haで西条柿の生産が行われており、ほぼ全量が干柿に加工されて出荷されています。2017年の出荷量はおよそ30万個となっています。

  1. 干し柿:皮をむいた渋柿をひもで結び、風通しの良いところに吊るして乾燥させることで作られます。日本では、少なくとも平安時代の中期に、祭礼用の菓子として干し柿が作られていたと言われています。
  2. お歳暮:日本では1年に2回、お世話になった方に対して、「感謝の気持ちを込めて」、贈り物をする習慣があります。夏は「お中元」、冬は「お歳暮」と言います。
  3. 宍道湖:島根県東北部に位置し日本で7番目の大きさの湖です。斐伊川を介して中海と繋がる汽水湖です。シジミ漁が有名で漁獲量は日本全体の4割程度を占めています。
  4. 中海:島根県の東部と鳥取県の西部にまたがり宍道湖の東側(海側)に位置する日本で5番目に大きい湖です。汽水湖ですが宍道湖とは対照的にスズキなどの魚類を中心に年間300~400t程度の漁獲量があります。

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