くまもと県産い草

くまもと県産い草
※提供元:熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会

登録番号 8
名称 くまもと県産い草(クマモトケンサンイグサ)、KUMAMOTO-IGUSA、KUMAMOTO-RUSH
分類 その他
登録日 2016/02/02
生産地 熊本県
八代市、八代郡氷川町、宇城市
登録生産者団体

八代地域農業協同組合
 熊本県八代市古城町2690
 http://www.ja-yatsushiro.or.jp/info/index.html
熊本宇城農業協同組合
 熊本県宇城市松橋町久具302-2
 http://www.jauki.or.jp/

登録公示

第8号:くまもと県産い草

農林水産物等の生産地

「くまもと県産い草」は、伝統的に行われている「泥染め」により高品質を長きに渡って保つことができるい草です。「くまもと県産い草」は基準化された栽培方法や品種の管理が遵守されているため、いぐさ内部の白い綿のようなものが網目状に張り巡らされたハニカム構造がしっかりと詰まった密度の高いものが出来上がり、い草が有する調湿性能や有害物質吸着性能が十二分に発揮されます。
 熊本県の八代市、氷川町、宇城市で栽培されるいぐさが全国生産量の約9割を占めていることから、いぐさと言えば熊本県産が代表的なものとして認知されています。品種は、熊本県の優良指定品種である、ひのみどり・夕凪・ひのはるか・涼風が栽培・育成されています。ひのみどりは、畳表に加工した時に、表面がきめ細やかで織り目が良く通り、美しい高品質な畳表になります。ひのはるかは、ひのみどりより茎が長くなるため、端部の品位が優れた美しい畳表になります。一方夕凪は、いぐさの表皮が厚く、硬いので耐久性の優れた畳表になります。涼風のいぐさは、夕凪・ひのはるかよりも明るい色調の、やや黄緑味が強い畳表になります。
 栽培が行われてきた歴史と共に伝統的に行われてきた製法が「泥染め」と言う作業で、刈取った直後のいぐさを、染土と呼ばれる天然土を水に適度な濃度に溶かして調製した液にまんべんなく浸漬します。いぐさ一本一本の隅々に泥が付着することで、全体に乾燥することができ、コーティングされた泥が葉緑素やいぐさの内部構造のダメージを抑えるため、光沢や色調を整えられた良質ないぐさができます。また、過度な乾燥を抑制し適度な湿度を保つことができるため、いぐさの品質を長きに渡って保つためにも重要な行程となります。

全国一の生産量を支える源として、球磨郡水上村を源流とし八代平野部へと流れる「球磨川」や豊富な地下水などを背景として水田地帯が発達しており、豊富な水資源が全国一の生産量のいぐさ栽培を支えています。
 八代市、氷川町、宇城市の気候は、いぐさの生育に非常に適しています。各地域に共通して、1~3月の冬場の水田が凍る寸前の気温の低下と夏場の気温の上昇がもたらす温度差が生じ、また5月の日照時間の長さと6月の日照時間の短さが対照的なことで、いぐさの茎長が長くなるとともに、高品質ないぐさを高い収量で栽培できます。茎長の長いいぐさを使用して畳表に製織すると、色合いの統一された美しい畳表に仕上がります。

八代地方におけるい業の歴史は古く、1500年代に太牟田上土(あげつち)城主、岩崎忠久が領内の古閑淵前にいぐさを栽培させ、特別の保護のもとに奨励したのが、熊本県でいぐさの栽培が根付く始まりになったと伝えられています。明治維新前までは「お止草(おとめぐさ)」として太牟田・新牟田・上土・新開・下村の5つの村に栽培が限られていましたが、時代を追うごとに地場産業として定着し、八代地方を中心に宇城・球磨地方でも広がりを見せ、1970年には日本一の産地に成長しました。
 宇城地方は、八代地域に隣接しており気候や生育環境が似た地域として産地の広がりを見せましたが、飛び地である球磨地方では1966年頃からいぐさ栽培が始まりました。球磨地域における気候などの気象条件が、かつての大産地であった広島・岡山と似ていたことから、都市化等で栽培面積が減少傾向にあった広島・岡山の生産者からの生産技術を導入しながら、面積は少なかったものの高品質ないぐさの生産を目指し、産地として広がっていきました。

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