越前がに / 越前かに
越前がに,越前かに
登録番号 | 69 |
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名称 | 越前がに(エチゼンガニ), 越前かに(エチゼンカニ) |
分類 | 魚介類 |
登録日 | 2018/09/27 |
生産地 | 福井県 |
登録生産者団体 | 福井県漁業協同組合連合会 福井県福井市大手2丁目8番10号 |
登録公示 |
農林水産物等の生産地
「越前がに」及び「越前かに」(以下、「越前がに」)は、福井県沖及びその周辺海域(能登半島(1)以西の日本海)において、底びき網漁船により漁獲され、福井県内の港に水揚げされたずわいがにです。
漁獲後水揚げまでの間、冷温で保管されるため、鮮度や身質が良く、鮮度低下の早いカニミソ(2)や内子(卵巣)も濃厚な旨味を持つことが特徴です。
福井県により90年以上にわたり皇室に特産品として献上されてきた歴史を持つとともに、同県を代表する水産物として全国的に高い知名度があり、重量当たりの単価は全国平均を上回っています。
生産方法としては、「越前がに」は、福井県沖及びその周辺海域(能登半島以西の日本海)において、沖合底びき網漁業又は小型機船底びき網漁業により漁獲され、福井県内の漁港に水揚げされた「ずわいがに」としています。
漁獲から水揚げまでの間に海水冷却装置により海水を冷温状態にした水槽内又は下氷を並べた魚箱に保管されます。
出荷規格は、雄の場合、「甲幅9センチメートル以上。ただし、水がに(脱皮後の甲羅の柔らかい状態のかに)ではないものに限る」、雌の場合「産卵を行い腹部に卵を抱えた成熟がに。ただし、発眼前の赤色の卵を抱えた「あかこ」ではないものに限る」としています。
日本海の能登半島以西の海域では、ずわいがにの生息域が広がり、我が国の主要な漁場となっています。中でも福井県は、越前海岸(3)沖の急深な地形によって沿岸から近距離にずわいがにの好漁場が形成されたため、古くからずわいがにの産地として知られています。ずわいがにの取引の経験を豊富に有する、いわゆる「目利きの力」のある流通業者が多く、彼らが満足する品質のずわいがにを安定して水揚げする必要があったことから、漁業者は漁獲後の船上での選別作業や鮮度維持のための冷温保管といった取組を行ってきました。
「越前がに」は、流通業者、料理店や宿泊業者向けに生鮮の状態で出荷され、また、小売の段階では主にゆでずわいがにとして販売されており、品質の良さが高く評価され、福井県の一大特産品となっています。
- 能登半島:北陸地方の中央付近から日本海に北に向けて突き出した半島です。周辺は水産資源が豊富で、タラやブリ、イカなども有名です。また、輪島の朝市、輪島塗、禄剛崎や外浦・内浦などの海岸景勝地、和倉温泉など観光資源が豊富な地域です。
- カニミソ:カニの甲羅をはがしたときに見られる味噌状・ペースト状のもので、生物学的には肝膵臓(中腸腺)という器官です。日本では独特の食味から愛好者も多く、珍重された食材となっています。
- 越前海岸:福井県中北部の越前岬を中心に日本海に面する海岸線の呼称で、地理学的に明確な区画はありません。隆起による海岸段丘の地形や海食による岩石海岸や断崖風景が続き、観光スポットにもなっています。