岩出山凍り豆腐 / 岩出山名産凍り豆腐
岩出山凍り豆腐,岩出山名産凍り豆腐
登録番号 | 65 |
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名称 | 岩出山凍り豆腐(イワデヤマコオリドウフ), 岩出山名産凍り豆腐(イワデヤマメイサンコオリドウフ) |
分類 | 加工食品 |
登録日 | 2018/08/06 |
生産地 |
宮城県
大崎市岩出山 (平成18年3月30日現在における行政区画名としての宮城県玉造郡岩出山町) |
登録生産者団体 | 新みやぎ農業協同組合 |
登録公示 |
農林水産物等の生産地
「岩出山凍り豆腐」は、弾力に富んだ硬めの歯触りと滑らかな舌触りをもった凍り豆腐です。
地域独自の製法により、雑味が少なく、大豆の風味が豊かで、色が白くキメが整っていることが特徴です。
煮崩れせずに形が整ったまま出汁がよく染み込むことから、地域では、郷土料理に欠かせない伝統的な具材として重宝されるとともに、その品質が高く評価され、市場での商品価格は一般の凍り豆腐に比べて2倍以上となっています。
「岩出山凍り豆腐」は、先ず、ニガリと宮城県産大豆のみを原料として豆腐を作ります。出来上がった豆腐を5cm平方の形に切りそろえ、約-3℃の冷凍庫内で15日程度熟成させます。
次に、一度水にさらして解凍し、水分をしぼり、アクや雑味をぬいた後、冷凍庫で2回目の凍結を行います。
その後、戸外又は乾燥庫で乾燥を行います。
出来上がった製品は、目視で外観を確認し、形状が不良なものを取り除いた後、金属探知機で異物混入の有無を確認します。
以上の生産工程を、生産地内で行います。
「岩出山凍り豆腐」の生産地は、奥羽山脈(1)の東側に位置し、乾いた厳しい寒さにさらされる地域ですが、周囲に比べて雪が少なく風もそれほど強くないことから、湿気や強風を嫌う凍り豆腐造りに適しています。
「岩出山凍り豆腐」の生産は、明治期(2)の記録にも残る地域の伝統産業として位置づけられ、1960年の最盛期には86戸の生産者がいました。現在は5戸の生産者に留まりますが、当時の製法が受け継がれ、年間約10万袋の生産が維持されています。
地域では郷土料理を始め、おでん(3)や鍋の具材として重宝されるほか、特に正月の仙台雑煮(4)(5)には欠かせない食材として利用されています。
- 奥羽山脈:日本の東北地方の中央部を縦断する日本最長(およそ500km)の山脈です。青森県から、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、栃木県に至ります。
- 明治期:1868年~1912年。日本の時代区分の一つ。日本が幕府による封建制から近代化に移行した時代です。
- おでん:一般家庭や飲食店で作られる日本の代表的な鍋料理のひとつ。豆腐、がんもどき、こんにゃく、はんぺん、イモ、ダイコンなどの具材を、醤油や味噌で煮込んだもので、地域によりさまざまな作り方があります。
- 雑煮:餅に数種の野菜、鶏肉、魚介類、魚肉練製品、豆製品などを加えて煮た汁物の料理です。日本では正月三ヵ日(1月1日から3日)に食べて新年を祝う習慣があります。
- 仙台雑煮:ハゼの焼き干しをダシに使った仙台地域の雑煮です。千切りにした大根、人参、ごぼう(No.40「美東ごぼう」参照)を具材に醤油で味付けをします。最後にだしをとった焼きハゼを飾るのも特徴的です。