堂上蜂屋柿

堂上蜂屋柿

登録番号 50
名称 堂上蜂屋柿(ドウジョウハチヤガキ)
分類 加工食品
登録日 2017/12/15
生産地 岐阜県
美濃加茂市
登録生産者団体

美濃加茂市堂上蜂屋柿振興会

岐阜県美濃加茂市前平町3-16

http://www.hachiyagaki.jp/

登録公示

第50号:堂上蜂屋柿

農林水産物等の生産地

「堂上蜂屋柿」は、生産地の岐阜県美濃加茂市で栽培されている、「堂上蜂屋」という品種の渋柿を原料とした干し柿です(1)
 この品種の柿は四角く、その先端はやや尖っています。また糖度が18%と、甘みが強いのが特徴です(2)
 「堂上蜂屋柿」は非常に大きな干柿で、飴色の果肉、とろりとした食感、そして程よい甘みを持っており、贈答品として高く評価されています。

生産者は、生産地内で「堂上蜂屋」の木を保存しており、その穂木から、生産地内で苗木を育成します。この柿の木から収穫した「堂上蜂屋」が干し柿の原料となります。原料柿の生産に当たっては、摘らい・摘果による着果制限によって250g以上の大玉になるよう果実を生産します。
 収穫後、「堂上蜂屋」の四角い形状を活かすために、手作業で皮をむいた後、硫黄燻蒸され、かげ干し、天日干しにより乾燥させます。乾燥途中は、果肉の内側に水分が残らないよう、柿を整形しながら手もみを行います。加工の終盤に、稲わらで作ったほうき(ニオボウキ)で柿の表面をやさしく掃くことで、柿の表面が上品な白い粉(糖分)をまとった「堂上蜂屋柿」が完成します。

美濃加茂市は年間を通じて温暖で晴天日が多く、適度な降雨もあり、柿の栽培に適した気候です。加えて、夜は低温のため、呼吸や蒸散が抑えられ、糖度の高い柿が生産されます。また、干柿の生産時期である冬は晴天日が多く朝晩の冷え込みが強い地域であるため、製品はきれいな飴色に仕上がるとともに、柿の急激な乾燥により内側に水分が残らないよう、ゆっくりと干し上げることができます。さらに、乾燥工程の仕上げで行われる、手もみ、ニオボウキで掃く方法は、伝統技術として地域に根付いています。
 以上のとおり、「堂上蜂屋柿」の特性は、この地域の気候と伝統的な技術によって生み出されています。
 「堂上蜂屋柿」は、千年余り昔から朝廷や幕府への献上品であったと言われています。
 現在、美濃加茂市の高級特産品として、4万3千個を上回る出荷量を確保しています。また、1900年のパリ万国博では銀杯を、1904年のセントルイス万博では金杯を受賞し、2015年のミラノ万博に出展するなど、国内外で高い評価を得ています。

1978年に「堂上蜂屋柿振興会」が発足しました。振興会は生産者を増やすための教育活動のほか、品質向上の研修や、販路の拡大に取り組んできました。2015年には、ミラノ万博にも「堂上蜂屋柿」を出展しました。

  1. 干し柿:皮をむいた渋柿をひもで結び、風通しの良いところに吊るして乾燥させることで作られます。日本では、少なくとも平安時代の中期に、祭礼用の菓子として干し柿が作られていたと言われています。
  2. 柿の渋みと甘味:渋柿は糖分のほかに可溶性のタンニンを含んでおり、強い渋味を持ちます。乾燥により渋柿のタンニンが不溶性のものに変わることで、食べることができるようになります。

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