プロシュット ディ パルマ

プロシュット ディ パルマ

登録番号 41
名称 プロシュット ディ パルマ、パルマハム、 Prosciutto di Parma、Parma Ham
分類 加工食品
登録日 2017/09/15
生産地 海外
イタリア共和国エミリア=ロマーニャ州パルマ県内の一部地域((ア)エミリア街道から5km以上南に離れ、(イ)海抜900m以下であり、かつ(ウ)エンザ川(東端)及びスティロネ川(西端)に挟まれた地域)
登録生産者団体

コンソルツィオ デル プロッシュット ディ パルマ

PARMA (PR) LARGO CALAMANDREI 1/A CAP 43121 ITALY

http://www.prosciuttodiparma.com/
(イタリア語)

http://parmaham.org/  (日本語)

登録公示

第41号:プロシュット ディ パルマ

農林水産物等の生産地

プロシュット ディ パルマは、選び抜かれた豚モモ肉が最小限の塩で柔らかくなるよう加工工程で熟成された風味豊かな生ハムです。熟成過程を終える頃には、水分の減少により、元の1/4以上の重量が減少し、熟成により肉が柔らかく仕上がっているとともに、香りが凝縮されています。スライスしたときの色は、一様にピンク色と赤の中間色ですが、脂肪部に純白色が点在しています。 プロシュット ディ パルマは良い香りと独特の風味を伴い、わずかに塩の味がします。 他の一般的なハムと異なり、プロシュット ディ パルマの原料は豚肉と塩のみであり、通常食肉加工品の製造に使われる亜硝酸塩や硝酸塩といった着色料や保存料等の添加物は含みません。

【生産方法】
①原料の厳選
プロシュット ディ パルマの原料として、ラージホワイト種やランドレース種等の豚が使用されます。プロシュット ディ パルマ製造のために特別に調整された穀物ブレンド、シリアル、及びパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ等の製造過程でできる乳清を食べて育てられます。 豚は最低9か月の歳月を経て160kg(+-10%の範囲まで許容)の体重に成長した去勢済みの健康状態の良い豚のみが食肉処理場へと送られます。

②プロシュット ディ パルマの(スライスされる前までの)加工プロセス
「プロシュット ディ パルマ」は、以下(ア)から(ケ)までの9の加工段階を経ます。
(ア)分離:食肉処理場で、豚モモ肉が胴体から分離される。
(イ)冷却
(ウ)トリミング:豚モモ肉から余分な脂肪と外皮を除去し、「ニワトリの脚」状の丸い形にする。
(エ)塩処理:食肉処理場から食肉加工工場に送られ、熟練した塩漬け職人によって塩漬けされる。化学物質、保存剤や、他のいかなる添加物も使用されない。豚モモ肉の燻煙処理もされない。湿度約80%、温度1℃~4℃程度の冷蔵室で、約1カ月塩漬けにする。
(オ)レスティング(寝かし):残っている塩を全て除去した後、豚モモ肉を、湿度を約75%、温度を1℃~5℃程度に保ったいわゆる寝かせ室で、60~90日間の期間にわたって保存する。
(カ)洗浄/乾燥:洗浄により、余分な塩分と不純物を除去する。豚モモ肉は、乾燥して風があり太陽が照っている気候の時には、自然に乾燥され、そうでない場合は、特別な乾燥室の中で乾燥される。
(キ)前熟成及びトリミング:豚モモ肉は伝統的な「スカレーレ」(棚)に吊るされる。
(ク)ラード処理(グリーシング)
(ケ)最終熟成と品質検査:最初の塩漬けからおよそ7か月目に、豚モモ肉は、前熟成室より涼しく空気の流れが少ない貯蔵庫に移され、熟成が完了するまで吊るされる。豚モモ肉の熟成は、最初の塩漬けから最低12か月かかる。最後に、独立機関であるCSQA Certificazioniが、生産行程への準拠を確認するとともに、品質検査を行う。

③プロシュット ディ パルマのスライスパック
骨抜き、準備、スライス、パックを含むプロシュット ディ パルマのパック品の生産は、生産地に所在する工場で、CSQA Certificazioniの監視の下で行なわれます。

【地域との結び付き】
①原料(豚)の餌の調達のしやすさ
ポー川流域の低平地と丘陵部では、養豚が常に行われてきました。その理由は、これらの地域はカシ林に覆われており、そこから雑食性の豚を太らせるのに使えるドングリが供給されていたからです。 また、プロシュット ディ パルマの生産地域は、パルマ県内のパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズの生産地域にも重なっています。そのため、プロシュット ディ パルマの原料となる豚に、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズの製造過程でできる乳清を餌として与えることは古くから日常的に続けられています。その乳清を含んだ餌を食べた豚から、風味豊かなプロシュット ディ パルマが生産されてきました。

②生産地の優位性
プロシュット ディ パルマの熟成プロセスはあまり湿度が高くない環境を必要とします。パルマ周辺の丘陵地域は、特に食肉処理後の夏の間、湿度レベルが相対的に低いため、ハムを熟成するのに理想的でした。 プロシュット ディ パルマは、自然で濃厚な風味を有するよう少量の塩しか用いられないことからすれば、上記のような生産地の加工環境は非常に重要です。

プロシュット ディ パルマの生産の歴史は非常に古く、すでに紀元前2世紀には、大カトー(ローマ時代の政治家)が、著書「De Agricoltura(農業論)」において、イタリアのパルマの町周辺で作られる、風で熟成されたハムのすばらしい香りについて記しています。 1963年、それまで独自に生ハムを生産していた生産者たちの中から、23の生産者たちによって「コンソルツィオ デル プロッシュット ディ パルマ」が立ち上げらました。コンソルツィオ デル プロッシュット ディ パルマ結成の目的は、この地域に非常に古くから伝わる、豚モモ肉加工の伝統的製法に関する厳密な規定を定め、パルマの生ハム作りの名声を守るとともに、他の生ハムとの区別を図り、その品質を保証することです。 1996年、プロシュット ディ パルマは、欧州連合(EU)の原産地名称保護制度(略称PDO)に登録されました。

ページ
トップ

日本の伝統的な特産品の魅力を発信