飯沼栗

飯沼栗
※提供元:茨城町 生活経済部

登録番号 38
名称 飯沼栗(イイヌマクリ)
分類 果物
登録日 2017/06/23
生産地 茨城県
東茨城郡茨城町
登録生産者団体

下飯沼栗生産販売組合

茨城県東茨城郡茨城町下飯沼648-1 

https://iinumakuri.com/

登録公示

第38号:飯沼栗

農林水産物等の生産地

「飯沼栗」は、一般的なクリとは異なり、1毬(きゅう)1果を目標とした栽培技術、全果洗浄、徹底した選別選果等により、大果で、色つや・形状等の外観に優れたクリです。さらに、長年にわたる冷温貯蔵の取り組みの結果、品質を劣化させずに糖含量を増加させて甘みの強い果実を生産しています。
 一般のクリは1毬3果であるのに対して、「飯沼栗」の生産者は、特に1毬1果を目標とした大果生産にこだわり、授粉に関して研究を重ねた結果、収量を落とすことなく大果(1毬1~2果)の安定生産を実現しました。1毬3果で発生し易い中央の扁平果の発生が極めて少なく、形状の揃いも向上させています。
 収穫された果実は、全て専用の洗浄機で水洗いされるため、果実の座部の汚れがなく光沢のある外観に優れたクリが実現しています。さらに、果実にオガ粉をまぶした状態で全量冷温貯蔵することにより、乾燥や腐敗を防止し品質低下を防ぎながら、糖含量が増加して甘さが増した状態で計画出荷されています。
 出荷においては、生産者が行う貯蔵前及び貯蔵後の2回の選別に加えて、集荷所において行う共同選果の合計3回に及ぶ徹底した選別選果により、出荷品に不良品の混入がほとんどありません。「飯沼栗」の出荷は、数量は毎年約50tと他産地に比べて出荷量は多くはないものの、その品質の高さと均一性などから販売先の厚い信頼を得ています。市場での取引価格は、同市場の同期間における国内から出荷されたクリの約2倍に相当し、正にクリの最高級品と評価されています。

「飯沼栗」が生産されている茨城県茨城町は、標高30m程度の平坦な台地であり、保水性・通気性・排水性が良好で、弱酸性の火山灰性土壌(関東ローム層)に覆われています。また、年平均気温13.6℃、年間降水量1,354mmの安定した気候となっており、クリ栽培に適した環境となっています。
 和銅6年(713年)に編纂された「常陸国風土記」において、現茨城町に隣接する行方(なめかた)地区の項に、この地方には古くから良いクリが産したことが伺い知れる記述があります。

茨城町では、1933年頃、開墾地にクリが植えられ、その後1963年頃から盛んにクリ園が造成されました。そして、クリの品質向上や計画的出荷等による収益性の改善をめざして、先進的な農家が中心となって1968年に生産販売組合を設立し、市場への出荷を開始しました。
 組合では、高品質な「飯沼栗」の生産出荷に取り組み、授粉、選別選果、洗浄、貯蔵等の最適な方法について、試行錯誤を繰り返してきました。その結果、1毬1~2果の高品質な大果生産、クリ洗浄機の独自開発などが実現し、1980年代には冷蔵庫貯蔵による栗の計画出荷は全体の65%に達し、銘柄品として東京市場でも好評を博しました。1986年迄には現在のような技術が確立され、出荷期間を通して生産者間に品質等のバラツキがなく、高品質で大果のクリの生産・出荷を実現しています。

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