みやぎサーモン
みやぎサーモン
登録番号 | 31 |
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名称 | みやぎサーモン、MIYAGI SALMON |
分類 | 魚介類 |
登録日 | 2017/05/26 |
生産地 | 宮城県 |
登録生産者団体 | みやぎ銀ざけ振興協議会 宮城県石巻市開成1番27 |
登録公示 |
農林水産物等の生産地
「みやぎサーモン」は、宮城県産ギンザケを水揚げした後に、ギンザケ本来のおいしさを保つため鮮度保持処理を施した、高品質・高鮮度な魚です。その特性は、鮮度保持処理を行うことにより、身をおろすために包丁を入れると刃を掴むような感触、身にツヤと張りがあり、「刺身で食べられるサケ」という鮮度にあります。
宮城県は「養殖ギンザケ」発祥の地であり、誕生以来、当地で試行錯誤を繰り返しながら養殖技術を確立してきました。従来は生餌を用いていましたが、人工配合飼料に切り替えたことにより、生餌由来の生臭みがなくなり、一段と食味が向上しました。
また、活け締めによる鮮度保持処理の技術を向上させ、生食用の養殖ギンザケの生産に取り組み、高品質で安定した生産量が確保できるようになりました。現在では、水産加工、流通、販売を含めた地域の基幹産業となっています。
ギンザケは、成長が早いことなどから養殖に適した魚種とされ、宮城県において、1977年より本格的なギンザケ養殖が開始され、翌年には生産量が約80トンに飛躍し、現在では国内の養殖ギンザケ生産量のうち、宮城県の生産量は94%を占めるに至っています。
1996年頃からは、生餌から人工配合飼料に切り替えるとともに、活け締めによる鮮度保持処理の技術を向上させ、生食用養殖ギンザケの生産に取り組んできました。活け締めは、キリ等を用いて魚の中枢神経を破壊、脱血を実施したうえで、概ね5℃以下に保った海水タンクに漬け込む方法で行います。
宮城県においては、従来から養殖ギンザケを生で食する食習慣がありましたが、1990年代始め、宮城県漁業協同組合連合会等が、県内及び首都圏向けにギンザケの需要拡大対策に取り組み、その中で生食用としての食べ方の提案を行ってきました。
宮城県の牡鹿半島北部の沿岸は代表的なリアス式海岸であり、水深が深く潮が穏やかで、魚類の養殖に適した湾が多く存在しています。また、7月後半まで海水温が20℃以下と低いこと、さらに、県内や近隣に、蔵王山系等の豊富な融雪水を活用した種苗(人工ふ化~稚魚育成)生産場が多く存在し、これらの生産場から海面の養殖場まで稚魚を短時間で輸送することができることから、ギンザケ養殖に最適な環境となっています。
加えて、「みやぎサーモン」の生産地には魚市場や水産加工場が点在し、水揚げされた魚を、鮮度を保った状態で迅速に処理する機能を備え、旬を迎える3~7月には、水揚げ当日に生鮮で消費者まで届けることが可能となっていることも、宮城県沿岸で「みやぎサーモン」を生産、流通できる背景となっています。
サケは、古くは縄文時代から利用してきたとされ、我が国の食生活にとって欠かすことのできない魚種です。ギンザケは、天然ではオホーツク海や北部太平洋海域に生息する冷水性の魚類で、水温20℃以下の水質の良い海域でのみ生息し、もともと日本には生息していない魚種でした。しかしながら、この地域の漁業協同組合が成長が早く養殖に適していることに着目し、海面養殖試験を行い、成功を収めました。