十勝川西長いも
十勝川西長いも
※提供元:十勝川西長いも運営協議会
登録番号 | 21 |
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名称 | 十勝川西長いも(トカチカワニシナガイモ)TOKACHI KAWANISHI NAGAIMO |
分類 | 野菜 / 穀物類 |
登録日 | 2016/10/12 |
生産地 |
北海道
帯広市、芽室町、中札内村、清水町、新得町、池田町字高島、足寄町、浦幌町 |
登録生産者団体 | 十勝川西長いも運営協議会 北海道帯広市川西町西2線61番地 |
登録公示 |
農林水産物等の生産地
「十勝川西長いも」は、長さが短いとっくり形の外観をした「やまといも」の一種です。肌・肉質ともに外観が白く褐変しにくいのが特徴であり、また、食したときの歯ごたえや食感が良く、摺りおろしてトロロにしたときに強い粘りがあります。
他産地のものと比較して、表皮と可食部断面が白く、また、水分が83.1%と少なく、澱粉含量が製品100g中12gと多いことから、トロロの高い粘性と弾性および可食部の高い破断強度を示します。
販売面では、台湾への輸出が1999年から安定的に推移しており、地場産のものより色が白く美味であることが富裕層を中心に高い評価を得ています。その他、アメリカ、シンガポールでは薬膳の食材として人気があり、輸出量も増えてきています。
また、種いもの選抜確保の技術確立や、市場や消費者ニーズに対応するため、通常秋に収穫する長いもを越冬させ通年出荷を実現したことなどが評価され、農林水産祭で「天皇杯」を受賞するなど、複数の受賞歴があります。
「十勝川西長いも」で用いられている種子(種いも)は、1971年に導入されました。この地域の栽培環境に適合し、形状や色、食感等の特性を引き出すために、優良種子として選抜・育種を繰り返してきた種子いもです。この種子は、栽培面積にあわせて必要量のみ配布することによって厳格に管理されています。「十勝川西長いも」の収穫は、褐変を予防し、アクを少なくするために収穫開始日が毎年定められています。収穫された長いもは、保湿と緩衝による白い外観を保つため、おが粉を封入して箱詰め、または特殊圧着によるフイルムに個包装してから箱詰めし、出荷されます。
「十勝川西長いも」が栽培される十勝地域の気候は、冷涼で夏場の日照時間が長く、昼夜の温度差が大きいことから急激な成長が抑制されます。じっくりと成長することで澱粉をはじめとする成分含量が多くなり、また、夜間の気温の低さは呼吸を抑制し、褐変の原因となるポリフェノールの生成を阻害し、白い肌・肉質がもたらされると考えられています。
「十勝川西長いも」の栽培土壌は、支笏カルデラ周辺の火山から噴出した火山灰が偏西風に運ばれ、降り積もって火山灰層を形成した黒ボク土であり、特に腐植層が厚く残されて水はけが良く、短いとっくり型の形状を維持するのに適していると言われています。このように、この地域に特有の気候と黒ボク土が「十勝川西長いも」の特性を発現していると考えられます。
「十勝川西長いも」は1971年に「川西そさい組合」の発足と同時に始まり、1984年には生産量は約1,800tに達しました。この地域の特産品として確実に支持を得て、市場のニーズが急速に高まって行ったことを背景に、1985年頃から、広域的に生産が拡大しました。
1991年には生産量が10,000tを越え、翌年には選果場及び貯蔵庫が整備され、品質の保持と出荷の安定化が図られました。この頃から海外からの引き合いも増え、1999年からは台湾をはじめとする東アジア地域への輸出がはじまり、2007年には米国への輸出がはじまりました。現在はグローバル市場のニーズに応えるため通年出荷が行われており、生産量は20,000tを越えるまでに至っています。