下関ふく
下関ふく1
※提供元:下関唐戸魚市場仲卸協同組合
登録番号 | 19 |
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名称 | 下関ふく(シモノセキフク)、Shimonoseki Fuku |
分類 | 魚介類 |
登録日 | 2016/10/12 |
生産地 |
山口県
,
福岡県
山口県・下関市、福岡県・北九州市門司区 |
登録生産者団体 | 下関唐戸魚市場仲卸協同組合 山口県下関市唐戸町5番50号 |
登録公示 |
農林水産物等の生産地
「下関ふく」は、日本近海の漁場で漁獲された天然とらふぐ又は国内各地の養殖場で養殖されたとらふぐを、下関で確立された「活かし込み」および「みがき処理」と呼ばれるの一連の行程により、「みがきふぐ」としたものです。活魚で入荷したとらふぐを水槽等で「活かし込み」を行うことにより身質が引き締まっていることと、「みがき処理」と呼ばれる除毒作業を高度な技術を有するふぐ処理師が行うことにより鮮度が保持されていることが、「下関ふく」の特徴となっています。
また、下関には日本の各地の漁場や養殖場から年間を通してとらふぐが集荷され、その供給も安定しているため、「下関ふく」の生産業者は様々な産地のとらふぐを扱った経験を有することとなり、目利き(魚の品質を見分ける)の力は極めて信頼性が高く、特定の産地のみを扱う他の地域の追随を許しません。
「下関ふく」の生産業者は活魚の状態で下関市地方卸売市場南風泊(はえどまり)市場に入荷したとらふぐを仕入れて、生産業者が生産地内に有する水槽等で1日~4日程度活かし込みます。これは移送によって生じたふぐのストレスを除去するとともにとらふぐの体内に残った餌や老廃物を体外に出し、絶食させて身を引き締めるためです。また仕入れたとらふぐの状態や傷・病気の有無もこの間に観察して、引き上げて捌く時期を判断します。
そして状態の良いとらふぐだけを選別して、活魚の状態で生産地内の各「下関ふく」生産業者の処理場に移し、ふぐ処理師によるみがき処理を行います。みがき処理とは除毒処理と除毒したとらふぐを拭き上げ、出荷に至るまでの行程です。除毒処理は、とらふぐが持つ卵巣、肝臓、腎臓、心臓、胆のう、胃、腸、脾臓、えらといった有毒部位を除去するために、包丁による捌きと目視による水洗いを行う作業で、ふぐ処理師には熟練した技能が求められます。
またみがき処理においては、鮮度保持のための温度管理が非常に重要であり、処理場内を概ね気温20度以下に保持することが基本ですが、加えて、捌いたふぐをすぐに氷冷水で洗うなどの方法も採用されています。
もともと下関はとらふぐの産卵地が近海にあり、また、とらふぐが回遊する日本海と瀬戸内海をつなぐ関門海峡を有していることなどから天然とらふぐの産地であり、古来よりふぐ食文化の発達した地でした。その後、漁法の変化とともに漁場が移ってからも、東シナ海、黄海、日本海、瀬戸内海などで漁獲されたふぐを集荷しやすい地理的な優位性を持ち、ふぐ食文化の中心地であったため、天然とらふぐの一大集積地であり続けました。1970年代に養殖とらふぐが登場し、多くの活魚水槽を備えた南風泊市場や近隣に水産加工団地が整備されたことにより、下関に集荷される基盤が形成され、日本で一番の集荷を誇る流通の要所となりました。
日本の各地から南風泊市場に入荷したふぐは、「下関ふく」生産業者が長年培った目利きの力を発揮できるように漁師(漁船)や養殖業者毎に大きさが細分化され、競り落とされます。
このようなふぐの食文化と流通の集積がなされていた下関において、活かし込みやみがき処理の技術は他の地域に先んじて確立されてきました。