阿久津曲がりねぎ

阿久津曲がりねぎ

登録番号 113
名称 阿久津曲がりねぎ(アクツマガリネギ)
分類 野菜 / 穀物類
登録日 2022/02/03
生産地 福島県
郡山市
登録生産者団体

阿久津曲がりねぎ保存会

福島県郡山市阿久津町字舘側50

登録公示

第113号:阿久津曲がりねぎ

農林水産物等の生産地

「阿久津曲がりねぎ」は、軟白部が甘く、軟らかくて旨味が強いのが特徴の弓状に曲がったねぎ(1)です。市販品と比較して、旨味系アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸)が約1.8倍、糖度も約1.7倍多く含まれています。
 他の郡山産ねぎに比べて3割程度高値で取引されています。

「阿久津曲がりねぎ」の種子は、 阿久津曲がりねぎ保存会の生産者が自家採種した在来種「阿久津ねぎ」の種子を使用します。なお災害等により種子の確保が困難な場合には、郡山市園芸振興センターで保存している種子の提供を受けることとしています。
 「阿久津曲がりねぎ」は、生産地内の圃場で栽培されます。栽培の特徴として、4月~5月に定植したねぎを8月~9月に一度抜き取り、約45度の角度をつけて寝かせ、その上から土をかけ植え替える「やとい」という作業を行います。なお、生育状況によって作業時期が前後する場合もあります。
 出荷規格は、軟白部が弓状に曲がっているものとし、褐色に変色したものや葉枯れしたものは除くこととしています。

発祥地である阿久津地区の土壌は粘土質が多く、ねぎが長く成長しにくい土壌です。このため地域では、ねぎの軟白部(可食部)を確保するために、夏場にねぎを一度引き抜き、斜めの床を作り植え替える「やとい」が古くから行われてきました。
 この栽培方法により、甘くて軟らかく、旨味が強い特性を持つ「曲がりねぎ」が生まれました。
 昭和初期、阿久津地区で栽培されていたものが郡山市全体へと拡大して行き、2005年には「阿久津曲がりねぎ保存会」が設立されるなど、現在に至るまで原種の生産が継続されています。
 2018年現在の生産者数は14名、栽培面積は約3haで年間の約45tが出荷されています。

  1. ねぎ・長ねぎ:中国西部から中央アジア原産の植物です。日本には奈良時代(2)に伝わったといわれ、野菜として伝統的に食されてきました。国内各地に地域名を冠したねぎが生産されブランド化が進められています。
  2. 奈良時代:710年~794年。元明天皇により平城京(現在の奈良市)に都が移されてから、794年に平安京(京都市)に都が遷されるまでの84年間を指す日本の時代区分の一つです。天皇を中心とした律令政治が整備されるとともに、日本仏教による鎮護国家を目指して天平文化が花開いた時期とされています。

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