鳥取砂丘らっきょう、 ふくべ砂丘らっきょう
鳥取砂丘らっきょう、 ふくべ砂丘らっきょう
※提供元:JA全農とっとり 野菜花き課
登録番号 | 11 |
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名称 | 鳥取砂丘らっきょう(トットリサキュウラッキョウ)、ふくべ砂丘らっきょう(フクベサキュウラッキョウ) |
分類 | 野菜 / 穀物類 |
登録日 | 2016/03/10 |
生産地 |
鳥取県
鳥取市福部町内の鳥取砂丘に隣接した砂丘畑 |
登録生産者団体 | 鳥取いなば農業協同組合 鳥取県鳥取市行徳1丁目103番 |
ブランドサイト | |
登録公示 |
農林水産物等の生産地
「鳥取砂丘らっきょう」及び「ふくべ砂丘らっきょう」(以下「鳥取砂丘らっきょう」と称します。)は、鳥取県鳥取市福部町内の鳥取砂丘に隣接した砂丘畑で栽培される「らくだ種」のらっきょうで、シャキシャキとした食感と色白の外観が大きな特徴です。
「鳥取砂丘らっきょう」の品種である「らくだ種」は成育旺盛で分球数が少なく、肉質がしっかりした超卵形の早生・球重型のため、砂丘畑の保水力・保肥力が乏しく地力が低い土壌に適した種です。そしてその植え付けは、一株一球として一球一球丁寧に行われます。
「鳥取砂丘らっきょう」の断面写真を見ると、身が締まっていて各鱗片の厚みもほぼ同一です。そのため、噛み始め(外鱗)と噛み終わり(内鱗)の硬さが同一となり、シャキシャキとした歯切れの良さが生み出されると考えられます。他の産地[a1] のらっきょうと破断強度を測定して比較すると、「鳥取砂丘らっきょう」は、荷重最高値、最高値と最小値の差がそれぞれ52.1N、27.8Nと圧倒的に小さく、より小さな荷重で1枚目の鱗片が切断され、2枚目以降の鱗片も1枚目の鱗片とほぼ同様の荷重で切断され続けることで一噛み目から軽く、かつ、その小気味の良さが長く続くシャキシャキとした食感を生み出しています。
砂丘畑は、風が強く空っ風であり、砂質の環境(70mもの砂の層)であるがゆえに無駄な水分や栄養素等がない殆ど砂地の土壌から成っています。この砂地土壌のため、らっきょうが成長する過程で、若い葉身の生育が止まり芯部が充実し、鱗片が薄く何重にも重なって一球のらっきょうを形成し、繊維が細かく歯触りがシャキシャキとした食感となるのです。
また、らっきょうの色合いは、栄養素の良い所で作ると玉ねぎのような飴色になり、栄養素が少なくなるにつれ色白となります。砂丘畑は、地力が低く、栄養素等を保持する保肥力が弱いため、色白の「鳥取砂丘らっきょう」が生まれます。
福部のらっきょうの歴史は古く、江戸時代に参勤交代の付け人が持ち帰ったことが始まりと伝えられています。本格的に栽培が始められたのは1914年で、産業組合も設立され、本格的な販売にも取り組むようになり、今日まで100年を超えるに至りました。
昔、鳥取砂丘に隣接したこの地は丘であり、避砂を兼ねて桃や桑が植えられていましたが、保水力がないために果樹の球が大きくなりませんでした。そこで、らっきょうの痩せた土地でも育つ特性が着目され、丘を整地し地形を変えて、らっきょう畑が整備されました。それ以降、らっきょうが干ばつに強いことなども好感され、作付が増加していきました。
天候異変や病害虫の発生により危機的な状況を迎えた時期もありましたが、現在は、約120haのらっきょう畑を約75戸の生産農家が栽培し、一戸当りの栽培面積は1.6haと、日本有数の経営規模を誇る産地へと成長しました。