甲子柿
甲子柿
登録番号 | 106 |
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名称 | 甲子柿 |
分類 | 果物 |
登録日 | 2021/03/12 |
生産地 |
岩手県
釜石市 |
登録生産者団体 | 甲子柿の里生産組合 岩手県釜石市甲子町8-154 |
ブランドサイト | 「甲子柿(かっしがき)の魅力をお伝えします」(釜石市ホームページ内) |
登録公示 |
農林水産物等の生産地
「甲子柿」は、完熟トマトのような鮮紅色をし、ゼリーのような食感が特長の柿です。
渋柿を室(むろ)の中に入れ煙で燻し甘くする独特な伝統製法により岩手県釜石市甲子町を中心に作られ、古くから釜石地方独特の秋の味として親しまれてきた伝統産品です。
「甲子柿」の品種は生産地で栽培した在来種の小枝柿を使用します。
渋抜きは、 室(むろ)に入れ、薪などを燃やし、室(むろ)の温度を20℃程度に維持しながら、1週間ほど燻蒸します。
出荷規格は、傷害果でないものとし、傷害果は、加工品の原材料等にすることができることとしています。
生産地は、東北地方でも比較的温暖で、積雪による枝折れ等の被害が少なく、台風や強風、霜による被害も殆ど無いことから、果樹の栽培に適した環境です。また、国内の柿栽培の北限と言われています。
小枝柿(種無し)は、明治(1)初期に気仙地方からもたらされて以来、生産地で栽培され続けている唯一の品種です。当時、囲炉裏(2)の煙が上がっていく屋根裏に渋柿を並べたところ、渋が抜けて甘くなったことから甲子柿の生産が始まりました。
1945年から、室(むろ)での燻煙を開始したことにより、渋抜き期間を短縮でき現在の鮮紅色でやわらかい甲子柿の製法が確立しました。
渋柿の商業的な脱渋方法は一般的に炭酸ガスかアルコールを用い、果実硬度を保ったままで販売されていますが、室(むろ)で燻す甲子柿は、刃物を使用せずとも皮が手で剥けるほどやわらかいといった商品に仕上がります。
ピーク時(1990年)の生産者は90名、栽培面積は17ha、出荷量は32tでしたが、近年は、高齢化により生産者は19名まで減少、2018年の栽培面積は3.6ha、出荷量は10tに留まっています。
地域では、柿の収穫体験、柿室見学学習、地元の高校との連携による甲子柿の研究など、現在、後継者育成に取り組んでいます。
- 明治時代:1868年~1912年。日本の時代区分の一つ。日本が幕府による封建制から近代化に移行した時代です。
- 囲炉裏:伝統的な日本家屋などで、室内の床面を四角く切って設けられた炉のことをいいます。正方形あるいは長方形に床面を掘り下げ、灰を入れた中で炭や薪を燃やして使用します。暖炉や炊事が主な目的ですが、家族が集まる場所として古くから機能していました。