鹿沼在来そば
登録番号 | 136 |
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名称 | 鹿沼在来そば(カヌマザイライソバ) |
分類 | 野菜 / 穀物類 |
登録日 | 2023/07/20 |
生産地 |
栃木県
鹿沼市 |
登録生産者団体 | 鹿沼そば振興会 栃木県鹿沼市今宮町1688-1 鹿沼市役所内 |
登録公示 |
農林水産物等の生産地
「鹿沼在来そば」は、栃木県鹿沼市内の中山間地で栽培される在来種のそば(1)です。
一般的な玄そばと比較して小粒・細実で殻が薄いため、香り成分の基となる甘皮の割合が高く、剥き実の豊かな香りが特徴です。麺にすると雑味のない甘さがあり、歯切れの良い食感となります。
完熟で収穫した玄そばを用い、殻を挽き込んだ味わい深い田舎そば粉と、早刈り収穫した玄そばを挽いた淡い緑調で爽やかな風味のそば粉があります。
品種は在来種の「鹿沼在来そば」を用い、生産地である鹿沼市内の中山間地域(主に永野、粟野、南摩、久我、大芦地区)において栽培します。
栽培期間は、おおむね 55 日~65 日とし、玄そばの黒化率を考慮して早刈り収穫、完熟収穫の別を判断します。
収穫は早刈り収穫の場合、そば実の鮮度を維持し鹿沼そば振興会の定める方法で行い、完熟収穫の場合、そば実の黒化率を考慮し鹿沼そば振興会の定める方法により行います。
「鹿沼在来そば」の生産地である栃木県鹿沼市は、日光連山(2)の南麓に位置し、寒暖差が大きい気候によって、甘味が増し良質な味わいとなるそばが栽培されてきました。
生産地では、土地が痩せていて米の栽培が難しかったため、江戸時代(3)からそばが生産され、地域の食文化として定着してきました。
1869年には地域に農業用水が完成し、稲作が盛んになると、そば栽培は農家の裏作として細々と行われるようになりました。小規模で閉鎖的な栽培が継続した結果、交雑しやすいそばが在来種の特性を維持したまま生き残ることとなりました。
その後、地元の食文化として再びそばが注目を集め、生産拡大のための調査をきっかけに、地域に残るそばが在来種であることが確認されました。以後、地域では山によって隔てられた沢地を中心に栽培地として選定するなど、交雑防止と在来種の保護・継承が続けられています。
現在の作付面積は258haで栃木県内1位。振興会を中心に原種子の冷蔵保管管理や生産技術指導を行い、後継者育成・生産者拡充による生産拡大の活動が推進されています。
- そば:そばの実は、ヨーロッパなどではガレットの原料として知られていますが、日本では、そばの性質が異なるため、多くの場合、そば粉を水と練って生地にし、それを細く切って麺を作ります。この麺を茹でたものを、魚のだしと醤油をベースとしたつゆにつけて食べるのが一般的です。
- 日光連山:栃木県日光市に広がる東日本有数の山塊です。男体山、女峰山をはじめとした2,300mから2,500m級の山々からなり、関東平野の北限を画する山地のひとつです。
- 江戸時代:1603年~1867年。日本の時代区分の一つで、江戸(現在の東京)に幕府が置かれていた時代を指します。徳川家康を初代将軍とし以後徳川将軍家を中心とした藩政政治が行われました。