近江日野産日野菜
登録番号 | 122 |
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名称 | 近江日野産日野菜(オウミヒノサンヒノナ) |
分類 | 野菜 / 穀物類 |
登録日 | 2022/10/21 |
生産地 |
滋賀県
蒲生郡日野町 |
登録生産者団体 | グリーン近江農業協同組合 滋賀県東近江市八日市町1-17 |
登録公示 |
農林水産物等の生産地
「近江日野産日野菜」は、室町時代(1)から日野町で栽培されてきた伝統野菜(かぶ)です。ほっそりとした形で、漬物加工時には酢のみで安定的にさくら色を発色するほど、根の上部まで濃い赤紫の色調を呈しているのが特徴です。
「近江日野産日野菜」は、生産地である日野町で、日野町で採取された日野菜の原種を用いて栽培されます。
出荷規格は、洗浄され、病害虫等の被害のないもの、中に空洞のないもの、岐根及び裂根のないものです。
「近江日野産日野菜」の生産地は、通水性が良く適湿を維持する古琵琶湖層(壌土、砂壌土)からなり、日野菜の栽培に適した地域です。
室町時代には、漬物にすると色、風味ともに風雅であったことから後柏原天皇(2)に献上され、その漬物の美味しさから、生産地の領主に対し和歌が贈られたという物語もあります。
「近江日野産日野菜」の原種は、かつて地域内それぞれの農家で自家採種が行われてきました。
交雑防止のため春先に地域に咲く黄色い花を全て苅り取る「雑菜苅り」(ざつなかり)の風習など地域に根差した作物でしたが、2000年には原種採種を継承する農家が1戸となるまで減少してしまいました。
その後、2005年に深山口地区の十数戸の農家が「深山口日野菜原種組合」を設立。日野町内で原種採種を引き継ぎ、原種と地域の伝統を現在に継承しています。
生産地では、新規生産者育成にも積極的に取り組み、2019年には、春どり日野菜の栽培農家数18戸、栽培面積1.74ha、秋どり日野菜の栽培農家数37戸、栽培面積6.16hにまで増加しています。
- 室町時代:1336年~1573年。日本の時代区分の一つ。鎌倉時代以後、足利尊氏が京都室町に幕府を開いてから15代将軍足利義昭が織田信長に京都を追放され幕府が滅亡するまでの約240年間の時代を指します。
- 後柏原天皇:日本の第104代天皇(在位1500~26)。室町末期の代表的歌集である「柏玉集」、日記「後柏原天皇宸記」などの編纂にあたりました。